何百人と面接してきた。
そのくらいやれば、
「この人は続く」
「この人は危ない」
くらい、ある程度分かるようになると思うでしょ。
ならないw
むしろ長く採用をやって分かったのは、
人は、面接くらいでは全然分からない。
ということだった。
若い。
受け答えもしっかりしている。
感じもいい。
これはいい人が来た。
そう思って採用した。
研修も終わった。
さあ、これから現場に出てもらおう。
そこで、
「辞めます」
となったことがある。
……ここまで来て?!w
会社も時間を使った。
本人も時間を使った。
研修までやった。
それでも辞めるときは辞める。
逆に、面接時点ではそこまで強い印象がなかった人が、その後普通に働き続けることもある。
何百人と人を見たから、人を見る目が超能力みたいに育った。
そんな話にはならなかった。
「この人なら」と思っても、普通に外れる
昔の自分の投稿を見ると、
「いい人が来た!」
と喜んでいるものが結構ある。
数年に一度くらいしか来ないレベルだと思って、その場で採用を決めたこともある。
別のときには、
若くて受け答えもしっかりしていて、
「これは採用だな」
と早い段階で決めた。
面接を何百回やっても、やっぱりいい応募者が来るとうれしい。
求人を出しても人が来ない時期なんか特にそうだ。
一人採用するために広告費が20万円くらいかかることもあった。
人が欲しい。
現場にも人が必要。
目の前に感じのいい応募者がいる。
そうなると、
「採りたい」という気持ちが判断に混ざる。
ここが採用の難しいところだった。
自分が冷静に見ているつもりでも、
「この人なら大丈夫そうだ」
という期待が、いつの間にか判断材料に入り込む。
そして普通に外れる。
研修まで終わって辞める人もいた。
研修2日目で連絡が取れなくなったこともある。
電話をしたら、着信拒否されていたこともある。
一言くらい言えw
でも、こういうことが本当にある。
面接に来ない人も、普通にいた
そもそも、
面接までたどり着かない。
ということも珍しくなかった。
休日に応募者のために会社を開けた。
来ない。
連絡したら、
今日は行けなくなったので明日にしてほしい。
当時のぼくはXに、
「明日来たらしばく。」
と書いている。
もちろん実際にしばくわけではないw
ただ、そのくらい腹が立っていた。
こっちも休日を潰して会社を開けている。
履歴書を見る。
面接の準備をする。
待つ。
そして来ない。
別の日にも、14時から面接だったのに来なかった。
そのときは、
「お休み返して」
みたいなことを書いている。
また別の投稿では、
休日に会社を開ける
↓
来ない
↓
あるいは辞退される
という流れを見て、
「賽の河原??(´・ω・`)」
と書いていた。
石を積んでは崩される。
また積む。
採用担当、たまにほんとにこれになる。
じゃあ「時間を守る人を採ればいい」なのか
ここで話を、
「面接に遅れる人は採用するな!」
みたいな方向には持っていきたくない。
そんな簡単な話ではない。
交通事情もある。
急な事情もある。
面接で緊張して、うまく話せない人だっている。
逆に面接では完璧でも、働き始めたら全然違う人もいる。
だから、
一つのサインだけで、その人全部を決めることはできない。
これは何百人と面接して、むしろ強く思うようになった。
ただ、
面接で見せる「印象」と、
その人が実際にやった「行動」は、
少し分けて考えるようになった。
感じがいい。
話がうまい。
経歴が立派。
資格を持っている。
これは全部プラス材料ではある。
でも、
約束した時間に来る。
来られないなら連絡する。
研修に来る。
分からないことを聞く。
こういうものも、同じくらい見る。
というより、
こっちは実際に起きた行動だ。
人間性を見抜くなんて大それたことはできない。
でも、
その人が今どう行動したかなら見える。
だんだん、そっちを見るようになった。
「いいところ」が「嫌なところ」を消してくれるわけではない
採用について、昔こんな趣旨のことを書いた。
正の面は、負の面を補ってくれない。
これも採用を続けていて感じたことだった。
経験豊富。
資格あり。
受け答えもいい。
でも、
「ん?」
と思うところが一つある。
ここで人が欲しいと、
「まあ、このくらいなら」
となりやすい。
人間なんだから欠点くらいある。
もちろんそうだ。
完璧な応募者なんていない。
ただ、ぼくが何度か後悔したのは、
自分が最初に引っかかった部分を、自分で打ち消して採用したときだった。
「でも経験あるし」
「でも人手不足だし」
「でも感じはいいし」
と、別の長所で違和感を上書きする。
そして後になって、
「ああ、やっぱりそこだったか」
となる。
だからある時期から、
違和感があったら、
「この人はダメだ」
ではなく、
「何に引っかかったんだろう?」
と一回考えるようになった。
直感を神のお告げみたいに信じるわけじゃない。
その違和感を、できるだけ具体的な事実に戻してみる。
これだけでも判断は少し変わった。
だから、採用をその場で決めるのをやめた
昔のぼくは、
「この人いいな」
と思うと、かなり早く決めることがあった。
実際、それでうまくいったこともある。
ただ失敗もした。
そこで、ある時から、
面接の合否は一回ワンクッション置く
ようにした。
その場の勢いで決めない。
会社側が人を欲しがっているときほど、なおさら。
応募者が好印象でも一回置く。
逆に、
「ちょっと合わないかな」
と思ったときも一回置く。
面接直後というのは、意外と感情が乗っている。
感じがいい人なら、
「採りたい」
になる。
態度が気に入らなければ、
「採りたくない」
になる。
でも、人を一人採るというのは、その瞬間の好き嫌いよりずっと長い話になる。
だから一回置く。
それで人を見抜けるようになったわけではない。
ただ、
自分の感情だけで決めることは少し減った。
経験者より、人と働ける人を見たくなった
採用を始めた頃は、
やっぱり経験者に惹かれる。
資格あり。
現場経験あり。
即戦力。
ありがたい。
警備会社は常に人が足りないことがあるから、明日から使える人は魅力的だ。※注:研修は必要。
でも長く採用しているうちに、少し見る場所が変わった。
以前、自分でこう書いている。
「組織とはつまり人。経験やスキル、即戦力に惹かれるけど、大切なのはコミュ力。広く言えば人間性。」
今なら、この意味がかなり分かる。
技術は後から覚えることができる。
経験も、現場に出れば増える。
でも、
一緒に仕事ができるか。
人の話を聞けるか。
分からないときに聞けるか。
周囲と普通にやっていけるか。
こっちは組織で働く以上、ずっとついて回る。
だから経験や資格を見なくなったわけではない。
見る順番が少し変わった。
もちろん、「採用してよかった」と思ったこともある
失敗談ばかり書くと、
ぼくが採用するたびに人が消えていった会社みたいになるので、一応書いておくw
ちゃんと、
「この人たち採用してよかったな」
と思ったこともある。
あるとき新しく採用した二人について、
実力も人間力も高い。現場がかなり安定しそうだ。
という趣旨のことを書いている。
その時の自分は、
「これはいい採用だった」
と思っていた。
ただ、ここでも面白いのは、
面接時点ですべてを見抜いたわけじゃないことだ。
一緒に働く。
現場を見る。
周りとのやり取りを見る。
そうやって初めて、
「この人、いいな」
が具体的になっていく。
結局、人が分かるのは面接室より、働き始めてからの方が圧倒的に多かった。
採用して分かったのは、「人を見る方法」ではなかった
何百人も面接して、結局、人を見抜けるようにはならなかった。
むしろ逆だった。
面接で分かることなんて、思っていたよりずっと少ない。
感じがいい。
経歴が立派。
話もしっかりしている。
それでも、働き始めてみないと分からないことの方が多い。
だからぼくは、面接で「この人はこういう人だ」と決めつけるより、
その場で分かる範囲だけを材料にして、一度持ち帰って考えるようになった。
好印象でも即決しない。
違和感があっても、それだけで人格まで決めつけない。
採用して、研修して、現場に出てもらって、そこで初めて見えてくるものがある。
何百人と面接して身についたのは、人を見抜く技術じゃなかった。
「面接だけでは、人は分からない」と知っていることだった。


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