ある地方の卓球場のホームページに予約システムを入れているんだけど、また不具合が出た。
管理画面には予約日時がちゃんと入ってる。
なのに、お客さんに届く通知メールには日時が入ってない。
あれ?
これ前も似たようなことあったな……。
既視感w
ChatGPTに、
「ここがこうなってて、こう直したらこうなりました」
と報告しながら修正していたんだけど、気づいたら、さっき戻したはずの設定のあたりをまたぐるぐる触ってる。
「行ったり来たり、何回同じような作業しとるん……?」
自分にツッコミを入れながら、ふと思った。
ぼく、最初から完璧な指示を出そうとしてないな。
AI活用の話では、
「プロンプト設計が重要」
「最初の指示の精度を上げれば修正工数が減る」
という話をよく見ます。
これは別に間違ってないと思う。
むしろ、ゴールがはっきりしている仕事なら、最初のプロンプトを練った方がいい。
ただ、実際にWordPressの不具合を直したり、原因不明の問題をAIと一緒に解いていると、それだけではどうにもならない場面がある。
なぜなら、
最初の時点では、こっちも正解を知らないからです。
「最初から完璧なプロンプト」が書けない仕事がある
今年3月、ホームページをAIを使いながら作っていた時期に、ぼくはXでこんなことを書いていました。
プログラミングの知識0だからつまずいても何が原因かまったくわからんからボトルネックがどこなのかわからずめっっちゃ時間かかってしゃーない
その3日後には、
バイブコーディング使って本気のHP作ってると、プログラミング学んで必要な部分を手当てできるようになった方が早いのでは?としか思えなくなる
とも書いてます。
そのくらい、原因が分からない。
コードが読めないぼくには、
「何をAIに聞けば正解なのか」すら分からない。
正解を知らないのに、
「最初から正解に一発で到達するプロンプトを書きましょう」
と言われても、それはなかなか難しいw
トラブルシューティングも同じです。
実際に触ってみる。
AIの答えを試す。
すると別の問題が出る。
そこで初めて、
「あ、問題はこっちだったのか?」
という情報が増える。
つまり、答えを探す途中で問題そのものの形が見えてくる仕事があるんですよね。
AI活用でかなり重要だと思っている「検品」
じゃあ、ぼくがどうしているか。
だいたいこうです。
AIに考えさせる
↓
出てきた答えを検品する
↓
違和感を見つける
↓
「ここは合ってる」「ここが違う」と返す
↓
質問の角度をズラす
↓
もう一度AIに考えさせる
これを繰り返す。
この中で、ぼくがかなり重要だと思っているのが、
検品
です。
AIの答えを見ながら、
- 話の流れが壊れていないか
- 一部分だけ間違っているのか
- そもそもの前提から違っているのか
- 一か所直したことで、別の場所が壊れていないか
- 自分が求めている答えに近づいているか
を見る。
ぼくは昔から、文章でも仕事でも、
「なんかここおかしくない?」
には割と早く気づく方でした。
AIを使うようになって、この能力の重要性が以前より増した気がします。
AIに全部任せるんじゃない。
AIが出したものを見て、
「ここのズレをもう少し直して」
と情報を返す。
するとAIの次の回答が変わる。
質問を少し変える。
また答えがズレる。
そのズレを何度も作っているうちに、コードが読めなくても、求めていた答えに近づいていく。
これは何度もAIと仕事しているうちに、自然に身についた使い方でした。
プロンプトを磨く方がいい仕事
ただし、
「じゃあプロンプトなんか適当でいいのか?」
というと、もちろんそんな話ではありません。
たとえば、
- ゴールが明確
- 同じ作業を何度も繰り返す
- 出力形式が決まっている
- 成果物の条件を最初から説明できる
こういう仕事なら、最初のプロンプト精度を上げた方がいい。
記事構成。
定型メール。
決められたフォーマットへの変換。
毎回同じ条件で行う作業。
ここで毎回10回もAIと会話していたら、
いや、最初の指示直せよw
という話になります。
質問をズラしながら進める方がいい仕事
一方で、
- 正解が最初から分からない
- 原因不明のトラブル
- WordPressや各種設定の修正
- 複数の要素が絡む問題
- 実際に試さないと次の問題が見えない
こういう仕事では、一発のプロンプトだけで全部決めようとしない方がいい。
ぼく自身、
「これをこう直して」
↓
直す
↓
「いや、そこは直ったけど今度こっちがおかしい」
↓
AIに返す
↓
「なるほど。ではこちらを確認してください」
みたいな往復を何度もやっています。
行ったり来たり、何回同じ作業しとるん……?
とは思いますw
でも、これは必ずしも失敗ではない。
問題についての情報が少しずつ増えているなら、前には進んでいる。
ただし、毎回10往復してるなら何かがおかしい
ここは大事です。
「質問をズラしながら何度もやればいい」
だけで終わると、単なる非効率の正当化にもなります。
同じ仕事をするたびに10往復している。
毎回同じところでAIが間違える。
毎回同じ説明をしている。
だったら、その時点で、
プロンプトかテンプレートを直した方がいい。
つまり、
質問をズラして探索する
↓
うまくいったパターンが見つかる
↓
次回からプロンプトに組み込む
という流れになる。
プロンプトを磨くことと、質問をズラしながら進めることは対立していません。
探索して、うまくいったものを型にする。
むしろセットなんだと思います。
AIが「作る」、人間が「検品する」時代
Claude Codeにぼくの文章を分析させると、文体の癖や考え方のパターンはかなり正確に拾います。
でも、その分析をもとに文章を書かせると、
なぜか熱量が落ちるw
ふざけるところが行儀よくなる。
勢いが薄くなる。
分析はかなり正確なのに、そのままの温度では再現されない。
そこでまた人間が検品する。
「そこ違う」
「ぼくならそんな言い方せん」
「ここはもっと強くていい」
と直していく。
WordPressの不具合修正も似ています。
AIは、
「それっぽい答え」
を出す能力がものすごく高い。
でも、
それが本当に正しいかどうかを最終確認する役目
までは、まだ人間側に残っている。
以前のぼくは、
文章を書くのも、ホームページを直すのも、
「自分でゼロから作れること」
が能力だと思っていました。
でもAIの性能が上がるほど、人間の仕事は少しずつ、
作る
から、
選ぶ・検品する
へ移っている気がします。
そして、ぼくが今のところAIを使う上で一番しっくり来ている考え方がこれです。
AIは答えを出すけど、その答えを正解にするのは人間。
AIに考えさせる。
選ぶ。
検品する。
違和感があれば質問をズラす。
もう一度考えさせる。
少なくとも、正解そのものを探しながら進める仕事では、最初から「一発で正解」を求めなくていい。
むしろ、
AIが出した答えのどこがおかしいかに気づけること。
そこに、人間側のかなり大きな価値が残っているんじゃないかと思っています。


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